2007.8.27/「?」






 ゆるせないこと。
 彼が死ぬこと。
 彼が自分以外のものを見ること。
 彼が自分以外のことを考えること。
 彼が自分以外のものになること。
 自分が彼以外のものになること。
 彼が自分以外とふれあうこと。
 彼が自分以外をあいすること。
























 だから、と架城明楽は言葉を紡いだ。
 いつもの明るい微笑ではなく、どこか暗澹とした色が含まれた表情で。
「正直さ、僕は西東ちゃんのお姉ちゃん、つまり僕達のベイビーちゃんの母親を、この手で殺せたらって思うよ」
「……俺と寝たやつを片っ端から殺していくつもりかお前は」
 あきれたように言葉を返す西東天に、そう、とあっさりうなずいて、ベッドに腰かける。すでに寝る態勢に入っていた西東は、その重みに眉をひそめた。直後か数分後か、とにかく次に明楽が移す行動がその行為でわかったからだ。
「まぁ、西東ちゃんのお姉ちゃんは行方不明だからしょうがないけどね。でももし目の前にいたら殺してると思うよ」
 あっさりと言って、くるりと振り返る。眠るため閉じかけていた瞳を億劫な気分で開けた西東は、睡眠を邪魔された苛立ちを押し隠すこともせず明楽を見上げたが、彼はただ笑むだけだ。西東の苛立ちを知り尽くしたうえで。
「それで子供までつくっちゃってさ、嫉妬しない方がおかしいでしょ?」
「お前がおかしいという点だけは認めてやるよ」
「うん。それはいいや」











 それはとても可愛らしい笑顔だった。










うしなえよ世界をジェラシー





ほら、そうしたらぼくときみで、ふたりだけでいきていけるよ。






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