2006.3.17/「望みでも何でもない」






「そう──つまり夢を見たんだよ」
「いきなり何ですか」
「いや、いま急に思い出してね。夢というものはそういうものが多くないかい?目覚めた瞬間には憶えていて、数秒後には忘れている。しかし数時間後に思い出す。不思議なものだ」
「まぁ、言いたい事はだいたいわかりますけど……結局何が言いたいんですか?」
「ああ、すまないね。夢の話だよ。夢を見た。それをいま思い出したから、きみに伝えようと思って」
「私に伝える必要性がどこに?」
「きみに関係する夢だから」
「それは………………聞きたいような聞きたくないような」
「えー、聞いてくれよ」
「嫌です。帰ってください」
「いやいや、そんなに聞きたいというのなら話してあげよう。夢の中の時間帯は夜、そうだね十一時頃だ。俺が自室でパソコンをやっていると、お風呂上がりのきみが飲み物を片手に俺のそばに……」
「やめないと刺すぞ」
「目が本気だよ双識くん」
「本気ですからね兎吊木さん」















「愛している=v















「………何の冗談ですか?」
「夢の中で、俺がきみに言ったんだよ」
「性質の悪い冗談ですね」
「まったくだ」
「ちなみに私は何と答えたんでしょうね?」
「さぁ。もう憶えていないよ」
「嘘吐きですね」
「そんな事はないさ」
「それで、その話をして私に何を求めるんですか?」
「きみには何も求めていない」
「それはありがたい事で」
「ただきみに、零崎双識という人間であるきみに、欠片でも憐憫の感情があるというなら」
「……………」
「夢の中で、きみは答えてくれただろうと思っただけだ」
「忘れたんじゃないんですか?」
「いいや。憶えていないだけだ」
「……兎吊木さんは私に似ていますね」
「ああ、気が合うね。俺もそう思うよ、ほんとうにときどきね」
「ええ、おそらくいまだけの感情ですが──そんなあなたと、愛し合える事ができたら、何の不安もないんでしょうね」
「ああ。心からそう思うよ」
「では、そんな兎吊木さんに、私もひとつ」
「うん?」
「憐憫をあげますよ」
「────それは楽しみだ」






























「死ね」










溶けて溶けて同じものになればいい





ただの言葉の羅列だから。






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